シオとフィルの温泉旅行


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シオ 「フィル君、入るよ〜?…随分離れてるね…」
フィル「えっ!?い、いや、ほら、あの、せ、せっかくこんなに広いんだから、ひ、広さを活かさないと!」
シオ 「湯気でフィル君の顔も見えないけど…」
フィル「え?そう?じゃあ振り向いても安心かな…って、わぁっ!」
シオ 「そんなに驚かなくても…近くにいちゃ駄目?」
フィル「…そ、そんなことないよ…っ!」

シオ 「は〜…(感嘆)」
フィル「…でも、なんか気持ち悪くない?」
シオ 「?」
フィル「だって、急に温泉のチケットが送られてくるなんてさ。誰からかも分からないし…」
シオ 「でもちゃんと私宛てだったよ?」
フィル「そうだけどさ、帰ったらお金とか請求されるんじゃないかな…今月ピンチなのに…はぁ」
シオ 「心配しすぎだよ、フィル君。大丈夫大丈夫♪」
フィル「う〜ん…最近多いんだよね、誰からか分からない贈り物とか」
シオ 「え!?チケットだけじゃなくて?」
フィル「うん。服とか…」
シオ 「ふ、服!?…で、でもいいじゃない。あって困るようなものじゃないでしょ?」
フィル「困るよ!だって…女の子の服…だし…」
シオ 「…」
フィル「サイズも…ぴったりだしさ…怖いよね」
シオ 「…え、着たの?」
フィル「き、着てない!着てないよ!!」
シオ 「それって、どうしてるの?」
フィル「ソフィアさんの教会に寄付してる。もったいないしね」
シオ 「へ、へぇ…あ、変って言えば」
フィル「…うん」
シオ 「今日のルヴェルさんの様子、変じゃなかった?『ワシも連れて行ってくれー』って」
フィル「そう?いつも通りじゃない?家に帰りたくないっていうのは」
シオ 「んー、でも、怯え方が異常っていうか…あと、なんだっけ、
       『ワシが悪いんじゃない。みんなが勝手にやったことなんじゃ。3位になりたくてなったわけじゃないんじゃー』
        って、なんのこと言ってたのかな」
フィル「なんだろ…ティコさんの機嫌が悪かったのと関係あるのかな」
シオ 「それ以外になさそうだけどね〜…」

声『ひぎゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ…』

二人 「…」
フィル「ルヴェルさん…?」
シオ 「まさか…ね…」

彼の悲鳴は三日三晩、チッタラジッタの谷に響き渡ったそうな。